アクマの果実
ひゅっ。

と音がしたか、していないかの間に、

まっすぐ、的のど真ん中に向かって矢が命中していた。


「...え?」

と、皆びっくりして声がハモる。

「え...君、本当に初めて?」

「はい。
やはり的に当ててはいけなかったでしょうか。」

「いやいや。
これ、的に当てる競技なんだけどさ。

すごい...なんか、鬼神が宿ってるみたいだったよ。」

「そんな。恐れ多いです。」

「頭もいいしスポーツはなんでもできるって噂にはきいてたけど...本当になんだってできちゃうんだね。」

「優しくご教授いただいたおかげです。
ありがとうございます。」

「うん...?
いや、こちらこそ。いいもの見せてもらったよ。」

やばい...。

ってそこにいる誰もが思った。
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