アクマの果実
「今日も楽しかったですね、河津さん。」

「う、うん...。」

私もなんとなく影は見えるし声ぐらいは聞こえるようになっちゃった...。

なんか、女の子の幽霊たちと恋バナで盛り上がるってもう意味わかんない...。

とりあえずご飯作って食べよう。

「今日のご飯は、ハンバーグですか?」

「うん、好きなの?」

「はい!大好きです!」

「秌場くんは私が作ったものならなんでも大丈夫そうだね。」

「はい。毎日美味しくて幸せです。」

幸せ...か。

なんか、ちょっとだけかわいいな...。

「たまには今度秌場くんと俺で河津さんに何か作ってあげようか。」

「それいいですね。
お料理練習しておきます。」

「いいよ、そんな。」

「いえ、いつもお世話になってるので。」

「家に泊めてもらってるんだし、このくらいのことはしなきゃ。」

「河津さんがいてくれるだけでも嬉しいんです。家がパッと明るくなる感じがして。」

「それは秌場くんが喜んでるからじゃない?」

「そうだね。秌場くんが喜べば無理にでも明るくなるよ。」

「そうですか?
でも、こんなに幸せなのは久しぶりです。」

「それは、秌場くんが河津さんに特別な感情を持ってるからかもね。」

「ちょっ...安澄くん!」

「特別な気持ち...。
確かに、あったかくて、でもどこか儚げで...こういった気持ちは初めてですし、特別かもしれません。」

「...き、気のせいだと思うよ。
さ、ご飯食べよう。」

「はい。」
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