アクマの果実
昼休みの時間。

私の付け入る隙なんかなくなるほど女子も男子も2人にたかるので、私は一旦退場。

ある意味の解放...。

さて、穴場で1人お弁当食べよ。

私はなんとなく1人が好きだ。

友だち作っても、何故か穏やかじゃなくなるから。



...。



「あの、ちょっといいですか。」


!!!??


何故にここに安澄さまが!?


あのハエの大群みたいな人だかりをどうやって抜けてきたんだこの男は!!


「な、なんでしょう...?」

「いつもここでお昼を?」

「あ、はい。」

「そうなんですか。
すみません。人が多いのはあまり好きじゃなくて。落ち着ける場所を探してて。」

「あ、そうなんですか...。
一応ここは普段人あまり来ませんから良ければご利用ください。」

私の口調へりくだりすぎかも。

だって、めっちゃ緊張するじゃん...。

「ありがとうございます。いつも何かとお世話になってますね。」

「い、いいですよ、そんな...。」


......。


すごく気まずいけどね!!


まあいい、向こうが話しかけてこなければ私は何もする必要ない。

お互い人見知りみたいだし。



...。



...!?!?


「失礼します。」


なぜ秌場くんまで??


「あ、河津さんと、安澄さん...。」

「...ど、どうも。こんにちは...。」

って慣れない感じで挨拶するけど。

「久しぶり。」

「はい。お久しぶりです。」

やっぱり2人とも知り合いなんだ...。

「秌場くん、お弁当食べるの?」

「はい、一応。」

「美味しそうだね。」

「はい。美味しいですよ。
安澄さんも、お弁当美味しそうですね。」

「まあ、君と違って普通に食事するよ。
しなくても生きれるけど。」

...ん?

なんか論点おかしくないか??

まあ、私はここにいるだけだし、気にすることはないだろう。

「河津さん、お弁当ご自分で作られるんですか?」

「え、まあ...。」

「そうなんですね。」

「秌場くん、美味しそうに人のお弁当見るのやめよう?」

「す、すみません。
なんか...手作りのお弁当拝見するの久しぶりなんでつい...。」

「君のそれも一応手作りじゃない。」

「はい。商品ですけどね。」

なんだ?

このクセの強い2人が更にクセを促進させそうだぞ?

「安澄さんも自分でお弁当作ったんですね。」

「そうだよ。
君のもやってあげたいけど、俺のじゃ満足しないだろ?」

「そんなことないですよ。
心のこもったお弁当ですから。」

というか、2人ともある程度仲良さそうだな...。


「俺の食べたら、有害なんじゃないの?」

「そうですかね?ひと口食べてみたいです。」

「捕食シーンか。それは女子の前ではやめたほうがいいんじゃない?」

「大丈夫です。僕は普通とは食事方法違うんです。」

「君という存在自体特殊なんだからさ。
信用できないかな。」

「安澄さんこそ。」

「まあね。食事は普通の人と変わらないけど。」

これは私の突っ込み待ちなのかな...??

「あの...。」

「あ、すみません。
お気を悪くされましたか?」

「いえ...。」

まあ、ある意味サスペンスドラマ見てるみたいなこのスッキリしない感じは結構気分を害するけどね。
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