アクマの果実
「実は僕たち、人間じゃないらしいんです。」


...。



「...もう我慢できません。色々突っ込みどころ多くないですか??」

「そ、そうですよね。
すみません...。」


すみませんの焦点ほんとに合ってるかーい?


「正直にお話しします。実は、僕はとある分類上、悪魔のようなんです。」

「は...はぁ...?」

「それで、安澄さんは、死神さんなんです。」




あ、

もう帰ろうかな??




「実は、確信はないんですけど。
寿命は人間よりだいぶ長いようですし、食事や、趣味嗜好などにも幾分か特徴があるようで。

あと、安澄さんの場合は、寿命や到達領域が条件にマッチしてるというので、
死神さんと一緒にお仕事してるんです。
だから実質もう死神って言ってもいいかと。」

「まあ、派遣みたいなもんですけど。」


で?


そんで、私はどうすればいいわけ?

相槌打ってれば帰れます?

なんかしなきゃころされます?

何もしなくても、ころされますかねぇ!?

「あの...信じてくれます?」

「今のところ全然信じてないです。」

「正直ですね。俺も全然信じてませんよ。」

「はい?
あの、もしかしてからかってます?」

「いえ、そんなつもりはないんです!
そ、そうですよね...。信じられるわけないですよね...。」

「秌場くん、なんかできないの?」

「えー?
安澄さんは無いんですか?」

「あるっちゃあるよ。
例えば河津さんの寿命を言うとか。」


やめれ!!


なんか怖いよ。


「だめですよね...それって占い上手な方なら人間でもできちゃいますから。」

「そうかー。
やっぱりここは秌場くんの出番かな?」

「...僕ができるのは、ほんの少しのことですよ。少し頑張れば誰でも出来ることばかりです。」


...。


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