囚われのサンドリヨンと舞踏会
「また私の舞踏会に新たなキャストが加わった。君には永遠に踊っていてもらおうか」
青年の冷たい声にフローラの楽しい気持ちは一瞬で冷めていく。青年が仮面をゆっくりと外していく。そこにあった目は、恐ろしいほど暗く濁った目だった。フローラは悲鳴を上げる。
舞踏会が恐怖の場所に変わった刹那、孤児院での嬉しかったことや楽しかったことが思い出される。今更思い出してもどうしようもないというのにだ。
「馬鹿だわ、私。おしゃれなことしか頭になかったから……」
大切なものを何も見ていなかった。後悔しているうちに青年が一歩ずつ近づいてくる。その時、「まだ十二時じゃないわ!!」と声が聞こえた。フローラが横を見れば、懐中時計を手にジェルメーヌが立っている。
「舞踏会会場の大時計の時間を早めたの。だからまだ十二時前よ!!」
ジェルメーヌのその言葉に、フローラは希望がまだあるのだとわかった。そして頭に乗せられたティアラを投げ捨て、動きにくい美しいドレスは割いてしまう。
青年の冷たい声にフローラの楽しい気持ちは一瞬で冷めていく。青年が仮面をゆっくりと外していく。そこにあった目は、恐ろしいほど暗く濁った目だった。フローラは悲鳴を上げる。
舞踏会が恐怖の場所に変わった刹那、孤児院での嬉しかったことや楽しかったことが思い出される。今更思い出してもどうしようもないというのにだ。
「馬鹿だわ、私。おしゃれなことしか頭になかったから……」
大切なものを何も見ていなかった。後悔しているうちに青年が一歩ずつ近づいてくる。その時、「まだ十二時じゃないわ!!」と声が聞こえた。フローラが横を見れば、懐中時計を手にジェルメーヌが立っている。
「舞踏会会場の大時計の時間を早めたの。だからまだ十二時前よ!!」
ジェルメーヌのその言葉に、フローラは希望がまだあるのだとわかった。そして頭に乗せられたティアラを投げ捨て、動きにくい美しいドレスは割いてしまう。