囚われのサンドリヨンと舞踏会
孤児院では味わうことのできない芸術作品のようなスイーツの数々、美しいドレス、そしてエスコートしてくれている男性ーーー。ここにずっといたい、フローラはそう思ってしまった。
「姫様、そのピンク色のドレスも素敵ですね」
「ありがとう」
青年だけでなく、色々な人からも褒めてもらえる。気分が上がってしまい、現実よりここにいる方が幸せなんじゃないかと思ってしまうほどだ。
「私、現実に帰らない方が幸せなのかしら?」
ポツリとフローラが呟くと、青年は「好きなだけいてください。あなたにはここが相応しい」と囁く。その甘い声にフローラの体がぴくりと跳ねた。
羨望の眼差しの中に焦るような視線があったような気がするが、舞踏会の空気によって消されていく。フローラは恍惚とした表情で豪華なシャンデリアを見上げた。刹那。
ゴーン、ゴーン、ゴーン……。
鐘が静かに鳴り響き、踊っていた人々の動きがピタリと止まる。まるでテレビの一時停止ボタンを押したかのように全員の動きや表情が止まった。
「姫様、そのピンク色のドレスも素敵ですね」
「ありがとう」
青年だけでなく、色々な人からも褒めてもらえる。気分が上がってしまい、現実よりここにいる方が幸せなんじゃないかと思ってしまうほどだ。
「私、現実に帰らない方が幸せなのかしら?」
ポツリとフローラが呟くと、青年は「好きなだけいてください。あなたにはここが相応しい」と囁く。その甘い声にフローラの体がぴくりと跳ねた。
羨望の眼差しの中に焦るような視線があったような気がするが、舞踏会の空気によって消されていく。フローラは恍惚とした表情で豪華なシャンデリアを見上げた。刹那。
ゴーン、ゴーン、ゴーン……。
鐘が静かに鳴り響き、踊っていた人々の動きがピタリと止まる。まるでテレビの一時停止ボタンを押したかのように全員の動きや表情が止まった。