ずっとそばに 2
「陽菜、そんなに避けられると悲しいよ
とにかく嫌なことは早く終わらせちゃおう? 」
私が怖がらないように、やんわりとした口調で話し掛けてくるが、私は怖くて目に涙が溜まる…
どうしても翔馬に 「うん…」なんて返事できないよ。
「グスッ ック…ヒッ…ック…ヒック… 」
「怖いけど、陽菜なら頑張れるよ 」
翔馬に体をグッと引き寄せられて、ベットに座らされてしまう。
頑張らないといけないのに、
頭の中ではどうしたら逃げられるかしか考えられないよ。
「待って、トイレ行きたい… 」
「陽菜、そんなこと言って逃げるつもりでしょ? 」
「…グスッ、に、逃げないよ……… 」
「怪しいからだーめ!
これ終わったら行っていいから 」
それじゃあ、意味ないじゃん………
完全に私の考えていることなんてお見通みたい。
「ウッ…採血しないの ! 」
「するよ。陽菜、袖まくって?
今、真緒も手が離せないし、他の人に来てもらうのも嫌でしょ? 」
眉を下げる翔馬。
困らせているのはわかっているけど…。