ずっとそばに 2

「陽菜、そんなに避けられると悲しいよ

とにかく嫌なことは早く終わらせちゃおう? 」


私が怖がらないように、やんわりとした口調で話し掛けてくるが、私は怖くて目に涙が溜まる…

どうしても翔馬に 「うん…」なんて返事できないよ。


「グスッ ック…ヒッ…ック…ヒック… 」


「怖いけど、陽菜なら頑張れるよ 」


翔馬に体をグッと引き寄せられて、ベットに座らされてしまう。


頑張らないといけないのに、
頭の中ではどうしたら逃げられるかしか考えられないよ。



「待って、トイレ行きたい… 」


「陽菜、そんなこと言って逃げるつもりでしょ? 」


「…グスッ、に、逃げないよ……… 」


「怪しいからだーめ!
これ終わったら行っていいから 」



それじゃあ、意味ないじゃん………
完全に私の考えていることなんてお見通みたい。


「ウッ…採血しないの ! 」


「するよ。陽菜、袖まくって?

今、真緒も手が離せないし、他の人に来てもらうのも嫌でしょ? 」



眉を下げる翔馬。
困らせているのはわかっているけど…。



< 100 / 102 >

この作品をシェア

pagetop