ずっとそばに 2
翔馬はずっと私を離してくれなくて、それでも、私はやっぱり腕を翔馬に出せないでいた。
それで、10分くらいに翔馬に抱っこされたまま、説得され続けている。
「どうしても怖い? 」
「グスッ…うん… 」
「そうだよな。じゃあ、陽菜、これ頑張れたらさ、デートしてから家帰ろうよ? 」
「え…? 」
翔馬の言葉に耳を傾ける。
翔馬の顔をチラッと見ると笑顔で頷いてくれる。
「まだ、昼前だから、時間あるし。
今、陽菜が頑張ってくれたら、今日は楽しいことしかないからさ 」
「…うん 、 頑張る… 」
2週間、病室からほとんど出なかったから、久しぶりにどこかに行きたい。
それに、翔馬とはまだ外に行ってデートしたことないから、翔馬の提案にうなずいてしまった。
「よし、いい子だな
横になった方が腕の力が抜けて痛くないからベットに寝て 」
「…グスッ うん………… 」
覚悟を決めてベットに横になって手の甲で目を擦ったけれど…
涙が止まらないよ…
「怖いな。泣くのまで我慢しなくて大丈夫だよ
陽菜は頑張り屋さんで本当偉いよ 」
翔馬は準備をして、ベットの横に座って、安心させるように頭を撫でてくれた。
私はそんな翔馬の様子をを見て、左手を翔馬に出した。