ずっとそばに 2
「陽菜、頑張って手を出してくれてありがとう。
消毒するから、少し冷たいよ 」
翔馬は素早く、脱脂綿に消毒液をつけて、腕に当てる。
アルコールのスースした感じで、怖さが掻き立てられ、
腕がビクっと動いてしまった。
「動かないで。 深呼吸だよ 」
「グスッ………やっぱやだっ… 」
そんなこと言っても、もう逃げられるわけないのは頭の中ではわかっているけど、
本当に嫌なんだもん。
「ごめんね、針刺すよ 」
翔馬は針を腕に近づけてきて、プスッ刺した。
…痛い
「グスッ…やだっ…抜いて!! 」
「少し我慢だよ。後、5秒だけ 」
たった少しの間でも、すごく長く感じてしまう。
血が抜かれているみたいでフラフラしてくるし…
「終わったよ。陽菜、大丈夫!? 」
針が抜かれると、翔馬の手を強く掴んで寄りかかってしまったから、すごい心配されてしまった。
「うん…、大丈夫 。グスン 」
泣きながらも、そう言うと、翔馬はニコッ微笑み
涙を拭ってくれた。