ずっとそばに 2
「はい、終わり 」
終わりの合図で、
目を開きゆっくり体を動かそうとした。
でも、翔馬によって止められる。
「翔馬離して。遅刻しちゃうよ 」
「少しだけだからねっ 」
何か体のことで良くないことを
言われるんじゃないかって…
強くなる不安。
無意識のうちに目を閉じて耳まで塞ごうとする。
そんなことした後に、翔馬の話をきちんと聞かないとダメだと思って目を開く。
「え……… 」
目の前には翔馬の真剣な顔があると私は想像していた。
けど………
なぜか胸のあたりに翔馬の顔があった。
肌に感じる翔馬の温かい吐息………
何しているの…?
びっくりして思考回路も停止しそうになったその時。
柔らかいものが、手術の傷跡のところに触れた。
赤くはっきりと線がついてて、
キレイなものじゃないのに…
そんなできたばかりの傷を癒やすかのように
優しく触れる唇。