ずっとそばに 2
「ん………翔馬のバカ……… 」
ギュッと翔馬の肩を掴むと、
翔馬は満足そうに顔を上げた。
「強引にして悪かった。でも、これが俺の気持ちだから
前にも言ったことあるけど、陽菜の全部が好き 」
「…翔馬 」
「分かってくれた…? 陽菜に対する俺の気持ち 」
「…うん 」
「わかってくれたなら、
そろそろ制服に着替えておいで 」
時計を見てみると7時半。
今日から通う学校は少し遠いから本当に遅刻する。
急いで自分の部屋に戻って、翔馬が買ってくれた新しい制服に腕を通して、玄関に向かう。
そして、ドアのぶに手をかけようとしたとき、
グイッと翔馬に引き寄せられた。
翔馬は腕を私の背中に回してきて、
真剣な瞳で私を見つめてくる。
「俺はいつでも陽菜の味方だから、何かあったらどんなことでも良いから相談して 」
「翔馬、ありがとう 」
「それから、絶対走らないでね。体育は禁止」
「うん… 」
しっかりと翔馬の目を見て頷くと、体を離されて、
「いってらっしゃい… 」
手を振ってくれた。
「いってきます! 」
本当はものすごい寂しいけど、翔馬に心配かけたくないから、明るくそう返して家を出た。