ずっとそばに 2
「手伝ってくれて、ありがとう、翔馬 」
「ああ、全然良いよ。
でも、ちょっと、こっちおいで 」
掃除機のスイッチを切ると、翔馬に軽々と私を抱き上げらて、ソファーに連れていかれた。
また、診察するの!?
それは、嫌だよ…。
どうやって拒否しようかと、頭いっぱいにさせていると
翔馬は鞄の中から小さな箱を取り出した。
救急箱だよね、これ。
指の怪我を隠していたから、なんとなく翔馬から目線を反らすと、翔馬が横に座ったような気配がした。
「陽菜、手見せて 」
「やっ… 」
「やだじゃないよ。血すごい出てるから 」
…あっ ! !
ギュッと握りしめた手を少し開いてみると、…ポタリと血が垂れた。
真っ赤な血で服のほんの一部が染められると、
とても怖くて、
その恐怖に比例するように、急に増す指の痛み。
「翔馬…ウッ… グスッ 怖い…痛い…」
泣いたところで痛みなんて消えないのに、目からは大粒の涙が溢れ出す。
弱虫なところ治したいのに………
全然ダメだ。