ずっとそばに 2
「最初は秋元さんには辛いことだけど、
秋元さんのことを心配してくれている生徒もいるから 」
「えっ、そうなのか? 」
「友達になりたいけど話しかけると逃げちゃうからどうしたら良いかって、
放課後何人かが僕に相談に来てくれた 」
一気に俺の暗い気持ちが晴れる。
陽菜は初対面の人と会うと、怖くなっちゃって喋れない
だから、それで周りの子に勘違いされちゃってうまくいかないのかもと心配していた。
俺は陽菜に無理はさせたくはない。
でも、陽菜のこと理解してくれる子がいるなら、
もう少しだけ頑張ってほしい。
陽菜だって、俺や真緒と喋る時は本当に楽しそうにするから
人が嫌いな訳ではない。
友達もきっとほしいはず。
「優平、教えてくれてありがとうな。
おまえに相談して良かった 」
「そっか。そう言ってもらえて良かった
学校では僕がサポートするから、翔馬も心配しないで 」
「おっ、それは心を強いな 」
「また何か気になることあったらこっちからも連絡するから 」
「ありがとう。じゃあまた今度な 」
そう言って、電話を終わりにした。
そのタイミングと同時に、洗面所のドアが開く音がした。
陽菜がお風呂から出たみたいだ。