ずっとそばに 2

わからないよ………


ただでさえ、数学苦手なのに、


ずっとうわの空だったから
わかりませんって言うしかない。


でも、教卓にたっているのは、中年の男の教師で
かなり威圧的…


怒鳴られそうで、一番苦手なタイプだ。



「秋元、基礎問題なのにまさかわからないのか?
もうすぐ受験生だぞ 」



いつまでも答えない私に、先生は腕組みしながら呆れ顔を見せる。


「…………… 」



鋭く私を睨みつけたような教師の目。


無視するなんてまずいのに、
ジッーと下を見るしかなかった。




「秋元さん、これ使って 」


え !


シーンとした教室の中、
隣からささやくような声がして、私の机の上にノートが置かれた。


そのノートにはしっかりと解き方と答えが書いてある。



誰も助けてくれないどころか笑い者されると思ったのに…



こんなこと初めてだったから

ビックリして思わず隣を見ると

、隣の席の女の子はニッコリ微笑んでくれた。





< 44 / 102 >

この作品をシェア

pagetop