ずっとそばに 2
わからないよ………
ただでさえ、数学苦手なのに、
ずっとうわの空だったから
わかりませんって言うしかない。
でも、教卓にたっているのは、中年の男の教師で
かなり威圧的…
怒鳴られそうで、一番苦手なタイプだ。
「秋元、基礎問題なのにまさかわからないのか?
もうすぐ受験生だぞ 」
いつまでも答えない私に、先生は腕組みしながら呆れ顔を見せる。
「…………… 」
鋭く私を睨みつけたような教師の目。
無視するなんてまずいのに、
ジッーと下を見るしかなかった。
「秋元さん、これ使って 」
え !
シーンとした教室の中、
隣からささやくような声がして、私の机の上にノートが置かれた。
そのノートにはしっかりと解き方と答えが書いてある。
誰も助けてくれないどころか笑い者されると思ったのに…
こんなこと初めてだったから
ビックリして思わず隣を見ると
、隣の席の女の子はニッコリ微笑んでくれた。