ずっとそばに 2

「早く黒板に書いてきな 」


彼女の声に押されて前に出て


ノートに書かれた数式を丁寧に書き写していく。


さっきまで怒ってた先生も横でうなずきながら見ていた。



「よし、正解、途中式まで丁寧だ 」



わからないままだったら確実に今ごろ怒られてた。


ノートを見せてくれた彼女の名前すら知らないけど、

あの子はこんな私を助けてくれたんだ…


後ろの席に戻り、ペコリと頭を下げてノートを返すと

もう一度ニコッと私の目を見てくれた。



人と話すのは苦手だけど、

授業終わったらちゃんとお礼言わないと…






「あの、…さ、さっきは、ありがとうございました… 」


授業が終わると、真っ先にその子の机の前に行った。


顔をしっかりと見てみると、色白の肌でお人形のように

とても可愛らしい顔立ちをしている。



「ううん、お礼なんて良いよ。
私、秋元さんと友達になりたいからさ 」



だから。

容姿も性格も良い彼女が私と友達に…？


そんな風に少しばかり戸惑っていると、急に肩をポンポンと軽く誰かに叩かれた。