ずっとそばに 2

病院につくと、
ツーンとする消毒液の臭いがただよっていた


この嫌な臭がすると体調が悪くない私まで、

怖さが増してくる。


体調悪くて病院がきらいな優衣ちゃんは

もっと怖いはず。


ガッチリと、美緒ちゃんと愛美ちゃん固定されている優衣ちゃんもう逃げるのは観念しているみたいで、涙をポロポロ流しながら肩を小刻みに震わせていた。



翔馬探して来ようかな………


いつも迷惑かけているから自分の中で、仕事中の翔馬を呼び出すのは躊躇っている部分はある。


けど、翔馬なら、極力恐怖心を与えないように、
診てあげられるから


無理矢理診察する他のお医者さんより、翔馬の方が怖がっている優衣ちゃんにとっては良いに決まっている。


「あの………、私、知っているお医者さん呼んでくるから、みんな椅子に座って待ってて 」


「え…、陽菜ここに知り合いいるの? 」


「うん、私の主治医の先生。すごく優しい先生だから大丈夫だよ 」


チラッと優衣ちゃんの方に視線を向けてみた

でも、みんなの視線は私のほう………



「主治医って、陽菜どこか悪いの? 」



主治医なんて言葉を出せば、この質問来るよね…


みんな興味半分ではなく
本気で心配してくれているような顔。


今日初めて会話したのに……



病気のせいで体育や学校行事はかなり制限されるから
いずれは言わないとだし、今日話しちゃおう



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