ずっとそばに 2
「陽菜、出ておいで。
潜っていたら苦しくなっちゃうよ 」
「…………… 」
「ほら、大丈夫だよ 」
布団をまくられて、抱っこされて
トントン背中をリズムよく叩かれた。
赤ちゃんをあやすかのように、とても優しい手つき。
「このまま測ろうな 」
「…やだ 」
「拒否しないで。陽菜が心配なんだから 」
「ごめんなさい… 」
翔馬の心配という言葉には弱い。
力をダランと抜いて翔馬の肩に顔を埋めると、
服の中に体温計が入ってきた。
そして、翔馬の優しい熱に包まれたまま、しばらく大人しくしていると…
ピピピピッ………
体温計が鳴った。
「熱、高いな……… 」
「何度なの ? 」
「39.3 」
そんなにあったんだ。
聞くだけで、気分の悪さがます数字。
「くる…しい、辛いよっ…グスッ 」
「そうだよね。よしよし。
熱高いから喉乾いたでしょ? 水、持ってくるね 」
毛布を私にかけて、ベットに寝かせる翔馬…
厚手の毛布の中は温かいはずなのに、
翔馬から離さただけで
不思議くらいひんやりとする感覚。