ずっとそばに 2


「翔馬…、水…いらない… 」


「飲みたくなくても飲まないと、脱水になるよ 」


「やっ、グスッ 、行かないで……… 」



上半身を起こして、翔馬の服をギュっと握りしめる。


本当は喉カラカラなのに…。

水よりも翔馬がいいの。


「分かった。それならいっしょにリビング行こうな 」


「…うん、ゴホッ 」



大きく両手を広げてくれた翔馬に飛びつくと、

大事そうに抱きしめてくれて、その後体が注に浮いた。


そして、リビングのソファーに連れて行かれると、ペットボトルを

口もとに持ってきてくれた。


「これ、飲んで 」


「うん 」


ソファーの背もたれによっかかりながら、ゴクゴク飲む。


…おいしい

乾燥した喉が潤って、少しだけ喉の痛みが緩和された。


「良かった。飲んでくれて。
じゃあ、病院行く準備するから少し待ってて 」


スーツに着替え始める翔馬。


これ、翔馬が仕事行くときにそのまま、病院連れて行かれるパターンだよね………


病院が怖くて

どこかに隠れようと立ってみると、ぐらんと

視界が揺れる。






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