ずっとそばに 2
………あ、倒れる。
危険を感じながらも、
態勢を立て直すことなんてできずに……
身体に衝撃がくると思っていると。
「陽菜っ!! 」
翔馬の大きな声が響く…
床に打ちつけられる寸前に、目をギュっと瞑ったけど、
体に全く痛みはなくて、
倒れたところは柔らかくて温かい。
ゆっくり目を開けると、すぐ近くに翔馬の顔があった。
「大丈夫!? どこもぶつけてない?」
「…うん 」
「良かった 」
安心したようにため息を吐く翔馬が
私の背中に手を回した状態で見つめてくる。
「陽菜、今、逃げようとした? 」
「え、し、してない……… 」
「嘘ついても、陽菜のことはお見通しだからね
もう、逃げたらだめだよ 」
「……… 」
「分かった? 」
頭に手を置いてくれる優しい翔馬なのに、顔はかなり真剣で
素直に首を縦に振るしかなかった。