ずっとそばに 2

………あ、倒れる。

危険を感じながらも、
態勢を立て直すことなんてできずに……

身体に衝撃がくると思っていると。



「陽菜っ!! 」


翔馬の大きな声が響く…


床に打ちつけられる寸前に、目をギュっと瞑ったけど、

体に全く痛みはなくて、
倒れたところは柔らかくて温かい。


ゆっくり目を開けると、すぐ近くに翔馬の顔があった。


「大丈夫!? どこもぶつけてない?」


「…うん 」


「良かった 」


安心したようにため息を吐く翔馬が

私の背中に手を回した状態で見つめてくる。




「陽菜、今、逃げようとした? 」


「え、し、してない……… 」


「嘘ついても、陽菜のことはお見通しだからね
もう、逃げたらだめだよ 」


「……… 」


「分かった? 」


頭に手を置いてくれる優しい翔馬なのに、顔はかなり真剣で

素直に首を縦に振るしかなかった。





< 65 / 102 >

この作品をシェア

pagetop