ずっとそばに 2


私の言葉なんてスルーして、抱っこで車まで移動させられる。


翔馬の車の中はとても広くて、シートも柔らかい。


「何かあったときにすぐ様子見れるように助手席に座らせるな。

辛かったら椅子後ろに倒して良いから 」


「…うん 」


体を起こしていると、ズキズキするから、シートを倒して、ほぼ仰向けの状態に…


すると、突然頬にヒヤッとした冷たい物が触れる

翔馬が冷蔵庫で冷やしたジュースのペットボトルを当ててくれた。



「体熱そうだから冷やして。
飲めるなら、少し飲んでも良いよ 」



「うん、ありがと……… 」



翔馬から受け取ったペットボトルをおでこに当てて目を閉じる。


…気持ちいい。


翔馬の優しさが胸に響いて、涙がポロリ。


こんなに辛いのなんて嫌だけど、

思いやりが、嬉しくてたまらない………



「泣いてるけど、苦しい? 」


「ううん、大丈夫だよ 」


「じゃあ、車、動かすね 」



揺れる車内の中で、苦しかったのに、

心だけは楽になった。










< 67 / 102 >

この作品をシェア

pagetop