ずっとそばに 2
私の言葉なんてスルーして、抱っこで車まで移動させられる。
翔馬の車の中はとても広くて、シートも柔らかい。
「何かあったときにすぐ様子見れるように助手席に座らせるな。
辛かったら椅子後ろに倒して良いから 」
「…うん 」
体を起こしていると、ズキズキするから、シートを倒して、ほぼ仰向けの状態に…
すると、突然頬にヒヤッとした冷たい物が触れる
翔馬が冷蔵庫で冷やしたジュースのペットボトルを当ててくれた。
「体熱そうだから冷やして。
飲めるなら、少し飲んでも良いよ 」
「うん、ありがと……… 」
翔馬から受け取ったペットボトルをおでこに当てて目を閉じる。
…気持ちいい。
翔馬の優しさが胸に響いて、涙がポロリ。
こんなに辛いのなんて嫌だけど、
思いやりが、嬉しくてたまらない………
「泣いてるけど、苦しい? 」
「ううん、大丈夫だよ 」
「じゃあ、車、動かすね 」
揺れる車内の中で、苦しかったのに、
心だけは楽になった。