ずっとそばに 2
「ごめんね。頑張れてえらかったよ 」
「グスッ…ヒック。お医者さんの翔馬嫌い……… 」
「ハハッ…そんなこと言っている割にはベッタリだな
このまま診察するから力抜いててね 」
倒れないように身体を支えながら、聴診器を服の下から滑り込ませてきた。
ピタッと肌に触れる感覚…
聴診も嫌だけど、これ以上翔馬を困らせたくないくて。
大きく息を吸う。
「深呼吸、上手だよ。 頑張ってくれてありがとう 」
細まった、翔馬の目を見て、少し頷いた。
「じゃあ、のど見るから口開けてね。
大きくあーんできたら、圧舌子使わないから 」
圧舌子とは、喉をみる時に舌を抑える棒。
とにかくあれは使われたくないから、翔馬の言うとおりにした。
「そうそう、今日は診察抵抗しなくてえらいじゃん 」
翔馬は髪をクシャッと撫でてくれてから、
口の中をのぞき込むように見た。
「はい、終わったよ。
じゃあ次はインフルエンザの検査するから少しまた頑張ろうな 」