ずっとそばに 2


「陽菜、辛くなっちゃうから泣かないで。

よしよし、陽菜が嫌って言っているのに、無理矢理されるなんて怖いよね 」


抱きしめながら、背中をポンポンしてくれる翔馬。



お医者さんの翔馬は私が拒否しても痛いことをするのに

なぜか胸の中だけはいつもみたいに落ちつく。

最初は泣いてもがいていたけど、だんだんと抵抗する気がなくなってきて、目を少し閉じた時。


「陽菜ちゃん、大丈夫? 」


ドアが開いて真緒さんが入ってきて、

私を見ると心配そうに聞いてくる。



「…うん 」


「熱高いみたいだし、
これからインフルエンザの検査するって翔馬から聞いたからこっちおいで 」


「やだ…、翔馬と抱っこするの 」


会っていきなりのわがまま。


それなのに真緒さんは怒りもせず、首を傾けながら、

私に視線を合わせてクスッと笑う。



「陽菜ちゃんは翔馬が一番安心するみたいなんだね。

でも、私も陽菜ちゃんとギューしたいな 」


私に抱きついてくる真緒さん。


翔馬の膝の上にいたのに、真緒さんの腕に包まれて、移動させられてしまった。


真緒さんのことも大好きだけど、これから検査されるとなると話は別。


逃れようとバタバタもがく。



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