ずっとそばに 2


「陽菜、抱っこするね 」


眠っているからもちろん返事はない。


体感だと熱は40℃超えている感じでしかもさっきより呼吸が荒い。


俺の胸に寄せて、抱き上げると、俺の肩の辺りをギュっとしてきた。


「起きちゃった? 」


「…………… 」



眠ったまま、無意識でしがみついているのか…

陽菜にはすごく申しわけないけど、その姿が愛おしいくて仕方ない。

陽菜が苦しんでいるのに、仕草が可愛いって思ってしまうなんて医者失格だ。


心の中でごめんと呟いて、陽菜をICUまで連れていった。

< 79 / 102 >

この作品をシェア

pagetop