ずっとそばに 2
ICUのベットの横には点滴台が用意されていて、
陽菜を横にしてから針を刺すと
「あ、翔馬おはよ。この子が陽菜ちゃん? 」
俺の同期の佐々木 颯太に声をかけられた。
颯太はICUにいる集中治療医
「そう。真緒から説明あったか?」
「ああ、インフルエンザで心臓病があるからICUに入れるって。
とりあえず症状のことは一通り聞いたけど、何か他に気をつけることとかあったら教えて? 」
「心臓の方については颯太もわかっていると思うけど、
万が一発作が起きたら薬で止めて。
あとは…陽菜は病院や診察が嫌いで、すぐ泣いちゃうからなるべく丁寧にやってあげてほしい 」
こんな細やかなことも同期で仲が良い颯太だからこそ言える。
「了解。この体調で泣かせたら陽菜ちゃんも辛いだろうから緊急の時以外は配慮するつもりだよ 」
「ありがと。颯太が陽菜のこと見てくれるなら安心だ
あ、俺、そろそろ行くけど、もし大変だったら呼んで
外来が終わっていたら行けるから 」
ベットに苦しそうに横たわる陽菜のそばを離れたくなかったけど、
ずっとそうしていることもできないから
そう言いながら、ICUを出ていった。