ずっとそばに 2
午前の外来が終わった2時半過ぎ…
この時期はインフルエンザがはやっていて、小児外来はめちゃくちゃ混んでる。
さすがに疲れたので、
少し診察室でひと息ついていると…………
ピピピピ ピピピピ
仕事用の携帯電話がなる。
「………はい 」
「翔馬だよな? 颯太だけど 」
「あ、颯太か。もしかして陽菜が大変? 」
「はい、熱が40超えているのに、
診察しようとしたら『大丈夫』って拒否されちゃって… 」
「颯太、陽菜の大丈夫は全然大丈夫じゃないから… 」
「それは俺だって分かっているけど、なるべく無理矢理はやりたくないし、説得するにも今の陽菜ちゃんの体調だと時間かけるのは危ないから来れたらすぐ来て 」
「分かった。もうそっち向かっていて、もうすぐ着くから切るな 」
「ありがとう 」
颯太は患者に優しく接してくれるから大丈夫かなと思っていたけど、
陽菜の診察嫌いの方がすごかったのかと思わず苦笑いしてしまう。