ずっとそばに 2

「陽菜、入るよ 」


そっとベットのカーテンを開けると、見るからに辛そうな陽菜が寝ていて驚く。


朝も大分辛そうだったのに、この数時間でさらに悪化した体調。


意識が朦朧としているのに診察拒否はまずいな…

とにかく何かしないとと思いながら、陽菜に声をかけようとすると…


「お、翔馬!! 聴診と血を採りたいから手伝ってくれる 」


颯太が素早く指示してくれた。


「分かった。陽菜、辛いけど少し体起こそう?」


「んー 嫌………ゴホッ ゲホッ… 」



酷い咳をしながらも、抵抗する陽菜。

ベットにしがみついて動こうとしないから背中からギュッと抱きしめて膝に乗せた。



「陽菜、診察の間、俺が抱っこしていてあげるから少し頑張るよ 」



陽菜は抱っこされながらだと不安が和らぐのかあまり抵抗しなくなる。

俺がまだ実習生で診察の手伝いをしていたときからそうだった。


そして,今も俺の思った通り俺に身を預けて大人しくしてくれている。







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