ずっとそばに 2
「陽菜、颯太は採血上手だし、俺も陽菜のことギュッしてるから何も怖くないよ
5秒だけ頑張ってガマンしよう? 」
「陽菜ちゃん、体辛いのにこんな検査嫌だよね。ごめんな。でも、すぐ終わらせて楽にしてあげるからね 」
俺といっしょになって陽菜の恐怖を減らそうと声をかけてくれる辺りが颯太の優しさだ。
こうやって患者に寄り添ってくれるから颯太はいろんな人に人気がある医者なんだろうな…
駆血帯が巻かれていく陽菜の腕を見ながらそんなことをふと思う。
「じゃあ、チクッとするけどなるべく力抜いてね 」
「痛っ‼ ゲホッ ………ゴホッ ゴホッ…ゴホッ 」
「………はい、終わりだよ。よく頑張ったね 」
そう言いながらも颯太は素早く看護師に採った血液を渡した。
5分くらいたつと、検査の結果が出てインフルエンザによって肺炎になっていることがわかった。