ずっとそばに 2

「翔馬、今日もう帰って。
おまえ、明日当直だろ? 」


俺の体調を気づかって言ってくれているのだろう。

颯太の言っている通り、明日は当直の日


でも………陽菜が…


「…………… 」


「翔馬、陽菜ちゃんのことが心配な気持ちはわかるけど、今日俺が当直でずっとこの部屋にいるから 」


陽菜の手をギュッと握る俺の心を読みとったかのように、声をかけてくれる颯太。


「それに、もし翔馬が体調崩して休むことになったら陽菜ちゃん悲しむから。
彼女悲しませるなんて最低だぞ 」


颯太の言っていることはもっともだ。

俺が体調崩して陽菜に会えなくなるなんて悲しすぎるし、この大変な時期の体調管理は医者の仕事としても大切。



けどさ………



「なんで、陽菜が俺の彼女だって知っているんだよ 」


颯太に話してないのに。

俺、そんなにわかりやすいかって………

自分の行動を振り返っていると


「そりゃ、翔馬の態度を見ていれば
誰だってわかるだろ 。
翔馬の大事な彼女は俺が責任もって診るから休めるときにゆっくり休んで 」


颯太は当たり前の顔をしてそう言い、俺のことをICUの外まで見送ってくれた。





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