ずっとそばに 2
胸の傷跡見られたくない、そんな気持ちもあった。
手術しなければ、私は今生きているか分からないし、
これは翔馬が一生懸命私を助けてくれた印。
手術後も翔馬が処置をしてくれたから、翔馬だって私の傷はたくさん見てる。
だから、こんなのただのワガママ。
でも、やっぱり、好きな人に何回も見せたくないの…
「怖くないなら、早く終わらせちゃおう。
深呼吸していれば、すぐだからね 」
翔馬の手を掴んでも、全く効果がなくて、ポタンが外されていく。
空気が素肌に触れる感覚…
せめて下着、着てればよかったけど、パジャマ一枚…
無意識のうちに心臓の辺りを隠すように、手で覆ってしまう、
「陽菜、聴診器当てられないから、手、膝に置いて 」
「無理……… 」
どうしようもないこと言って、翔馬を困らせているから
怒られちゃうかなって、思い目をそらす。