ずっとそばに 2

ICU


ピッ ピッ ピッ ピッ


ん………

規則的に鳴り響く機械音で、目が覚め意識はっきりしてくる。


…胸の辺りが痛い。

…お腹気持ち悪い。


翔馬………。助けて。


でも、ここはいつもと違う重症者が入る病室だから担当は翔馬じゃないって、さっき翔馬の友達の颯太先生から説明があったから我慢しないと。


颯太先生は、診察嫌がっても全く怒らなくてとても優しかったけど、

まだ少し怖いという気持ちは残っているし…

それに、さっきだって颯太先生や翔馬にたくさん迷惑かけちゃったもん。


何にしても一人で耐えるしかない。



うっ……、でも………吐きそう…


強烈な吐き気が一気に襲ってきて耐えきれず酸素マスクを外して口もとを抑える。



「陽菜ちゃんまだ酸素マスク外さないで 」


えっ!! 部屋に先生いたの?

いきなり聞こえる声に少し驚くものの、体の方が辛すぎて涙がポロポロ溢れる。


颯太先生はそんな私の様子にすぐ気づいてベットの前まで近づいてきた。


「陽菜ちゃん体辛い?吐きそう? 」


「グスッ き…もち……悪い 」


「辛いよな。ごめん。少し体起こすね 」




< 90 / 102 >

この作品をシェア

pagetop