ずっとそばに 2

そう言われて、目を少し開けてみると、さっき翔馬と一緒に治療してくれた先生がいた。


ゆっくり体を起こされて背中を擦られると


「ゴホッ………ゴホッ… ゴホッ…」


咳が止まらなくなってしまった。


…なんとか吐かないようにだけは耐えているが我慢の限界…

溢れだす涙が止まらないまま、口を開けないようにしてると…

口元にビニール袋を当てられた。


「陽菜ちゃん、ここに吐ける? 」


その声を聞いた瞬間我慢の糸が切れて


「オェ………ゲホッ 」

少し吐いてしまった。


でも、まだ全部出しきれていないのか…

胃がむかむかする。



「陽菜ちゃん、まだ吐き気ある? 」


颯太先生の問いかけに、うつむいた状態で首を横に振る


だって、まだ気持ち悪いなんて言ったら、無理やり吐かされちゃう。

翔馬にもさっきやられて、すごく苦しかったもん。





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