ずっとそばに 2

颯太先生のおかげで吐き気は大分治まった。


それでも、身体の辛さはピークに達し………。


「グスッ………ヒック…もう…いや… ヒック…苦しぃ…
翔馬…た、助けて」


翔馬の名前を呼びながら、ワンワン泣いてしまう。




「陽菜ちゃん、泣くと体力消耗しちゃうからそろそろ泣き止もう? 」

私を落ち着かせようと優しく声をかけてくれる颯太先生


でも、颯太先生の言葉は耳に入らなくて。

どんどん不安な気持ちばかりが膨らみ


「グスッ………翔馬は………? 」って涙を流しながら聞いてしまう。


「陽菜ちゃん、ごめんね。翔馬は今はいないよ…
でも、朝になったら来てくれるから、今は俺で我慢してね 」


「先生やだ…翔馬がいい…翔馬に会いたい………怖ぃ…」


自分をコントロールすることもできなくて、

口から出てしまうどうしようもワガママ………


颯太先生にも失礼なこと言ってしまった。



「そうだよね。翔馬がいないと怖いよな

陽菜ちゃんの不安な気持ち分かるよ

よしよし…けど大丈夫。大丈夫 陽菜ちゃんのことは翔馬が戻るまでずっと見てるから。何も不安にならないで、ゆっくり眠りな………」


なのに、颯太先生は全く怒りを表さず、

私が力つきて眠ってしまうまで優しい言葉をかけ続けてくれた。





< 93 / 102 >

この作品をシェア

pagetop