ずっとそばに 2

「覚えている………。颯太先生もごめんなさい 」


「大丈夫だよ。
陽菜ちゃんは患者さんなんだから 」


颯太先生はそう言って微笑む。


でも………

夜中なのに私のワガママで大変な思いさせちゃったし

『翔馬がいい』なんてさり気なく颯太先生を拒否するようなこと言ってしまった。



「先生にたくさん迷惑かけちゃって………
本当にごめんなさい 」


「そんなに謝らないで。俺は、迷惑なんて思ってないよ。
身体が限界なのに泣き止まなくてあせったけど…
体調の方は今はどう? 」


「少し………クラクラする…けど平気……… 」


「教えてくれてありがとう
本当に平気か確認したいから、診察してもいい? 」


聴診器を耳につける颯太先生…

……本当は、まだ怖い


翔馬以外のお医者さんに診察されるのが…


でも、また、颯太先生の診察を拒否したら、颯太先生だって嫌な気持ちになっちゃうよね。


颯太先生なら優しいから大丈夫…

そう自分に言い聞かせて頷いた。





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