今宵、キミが砕け散る
愛の本質と人間という動物の性

 「宵、おはよ」

 入学してから2日の学校は、昨日より賑わっているように感じた。

 改めてここの生徒をみると、男子は不良だし、女子はメイクが濃くケバい。

 ここまで漂ってくるキツい香水の匂いで、歪みそうになる顔を必死で取り繕う。

 「おはよう、星」

 星はもう既に席に着いていて、にっこりと朝から眩しいほどの良い笑顔を振り撒いている。

 「あれ、真紀起こしてあげなかったの?」

 昨日の真紀と星の会話を思い出してそう問う。

 「うん。もう起こしてあげないって言ったからね、アイツ多分遅刻してくるよ」

 笑みを絶やさず言う彼に苦笑いを零した。


 

 
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