今宵、キミが砕け散る


 「すまんなー、俺が担任の篠田だ。昨日は一日中トイレに篭っててな、いけなかったんだわ」

 ……。

 「つーことで、今日からよろしくな!」

 爽やかに笑った篠田は、早速女子のハートをつかんだようだ。

 下品な先生だと、悪印象に感じた女子生徒は私だけだった。

 「はいはーい!篠田先生って、彼女いるのー?」

 どうでも良かったので、星と話してようと横を向くと、意外に興味を示していた。

 え、なんで?

 「彼女かー、彼女なぁ。彼女……」

 いないならいないって言えよ。

 一人落ち込む先生を見て、クラスは笑いに包まれた。

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