今宵、キミが砕け散る

 「その話はもういい!出席とるぞ!」

 篠田先生は、名簿を取り出して一人一人顔と名前を一致させながら進めていく。

 「琴瀬ー」

 「はい」

 私の顔を見た瞬間、先生は固まった。

 「……、お前、襲われないように気をつけろよ?先生喧嘩できないからな」

 まるで嶺緒みたいな言葉を並べた。

 星の笑い声は、無視しておいた。

 「相馬ー」

 返事がないので、先生は教室を見渡す。

 「相馬?相馬真紀ー!」

 「はいっ!!!」
 
 勢いよく開いた扉の向こうに、真紀の姿があった。

< 106 / 324 >

この作品をシェア

pagetop