今宵、キミが砕け散る

 「どこいくの?」

 星が突然立ち上がった私を不思議そうに見る。

 「ん?サボり」

 ニヤリと笑えば、視界の隅に写っている真紀の顔が赤くなった。

 「そっか、いってらっしゃい」

 「ん、いってくるー」

 星と真紀に軽く手を振って、教室を出た。

        

 何も考えずに、適当にふらふらと歩いていたら中庭に着いた。

 日当たりがよくて、欠伸が溢れる。

 ……、ちょっとだけ。

 近くにあったベンチに寝っ転がって、目を瞑った。

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