今宵、キミが砕け散る

 俺が俺でいられるような気がして、ますます離れられなくなる。

 まるで麻薬のように、溺れてしまいそうになる。

 「思わねぇな」

 はっきりと言い切った真紀に、目を見張った。

 「え?」

 「だって、宵だろ?」

 信じて疑わない、強い目をしている。

 「アイツは他の奴らとは違うって、自分で言ってたじゃねぇか」

 ああ、そうだ。

 そうだった。

 「うん……」

 なんだか自分が、不甲斐なく感じた。

 自分から関わるといって、それでいて信じきれていなかったと、真紀に言われて気付いた。



 
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