今宵、キミが砕け散る

 こういう世界なんだと、思い知った。

 そしたらなんだかどうでも良くなって、理性なんて聞かなかった。

 気がついたら目の前は真っ赤に染まっていて、悲しそうに、辛そうに歪む恭夜さんが、俺の手を掴んでいた。

 宵を信じて、話せばいい。

 それで俺から逃げなかったら、抱きしめてもらいたい。

 それで俺を怖がらなかったら、汚れてしまったこの手を握って欲しい。

 それで、それで……、






    宵と、友達になりたいんだ。










 (俺の我が儘を聞いて欲しい)



 

 
 
 
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