今宵、キミが砕け散る

 「どうしてここにいるの?」

 「んと、教室から宵ちゃんが見えたから走って来たの」

 あぁ、だからひとりなのか。

 一目見てわかるほど、都司たちは優香に対して過保護だ。

 多分それは、お姫様という理由もあるけれど、優香の性格が関係しているのだろう。

 「あのね、宵ちゃん……」

 少し目を伏せ、恥ずかしそうに顔を赤らめる優香。

 多分それは無意識なんだと思う。

 「私と、連絡先交換しよ?」

 ああ、ほら。

 こういうとこだ。

 
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