今宵、キミが砕け散る

 怖いのは、男だけじゃないんだよ優香。

 彼らと一緒にいることで、女子達の嫉妬を買ってしまう。

 だから彼らは、優香を学校でもひとりにさせたくないのだろう。

 「優、本当にもう勝手にどっか行かないでよな!?」

 涙目で優香に迫る加賀美は、まったく迫力が無く、寧ろ可愛いかった。

 「まぁまぁ〜、無事だったならよかったじゃん?」

 それを宥める佐城。

 「優香さんも、今後は気をつけてくださいね」

 そう言った、美苑の眼鏡の奥の瞳が私を捉えた。


 

 
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