今宵、キミが砕け散る

 「おま、それって……」

 「そうだ」

 納得したように、佐城は完全に口を閉じた。

 「俺たちの、責任でもありますからね」


 彼らの会話を理解出来ないほど、私の思考は荒れていた。

 なんで?

 いつ、どこで?

 また、私は……。

 『ああ、可愛い可愛い僕の宵』

 突如、蘇る記憶。

 『これで全部、僕のモノだ』

 狂気的に笑った "アイツ" が、私を喰らった。

 「宵ちゃん?」

 優香の声で、飛びかけていた意識が戻ってきた。


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