今宵、キミが砕け散る

 「え、宵?」

 「あ、星……」

 呟くと、星は目を見張って立ち上がった。

 「なんでここにいるんだよ!?」

 聞いたことのない大きな声で、星は言った。

 「あ、えっと」

 いや、私も分からん……。

 静かになった部屋。

 私の姿を捉えた男達は、星と同じように目を見開かせた。

 「星」

 既に奥にいったはずの美苑が私の横に立っていた。

 「説明は後でします。……そう、みんなにも伝えておいてください」

 有無を言わせぬ圧に、星は渋々と言った感じで頷いた。

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