今宵、キミが砕け散る

 「琴瀬さん、こっちです」

 「あ、うん」

 チラリと星がいた方を見たけど、もう美苑からの伝言を伝えに行っているようで、姿はなかった。



 奥にあった扉を開けて中に入ると、優香、都司、佐城、加賀美がソファに座った状態でいた。

 「ここに座って下さい」

 指定された席は美苑の隣。

 彼と少し感覚を開けて座ると、一呼吸置いて、都司は口を開いた。

 「単刀直入にいう、俺たちは東だ」

 目の端で不安そうに瞳を揺らす優香が映った。



 
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