今宵、キミが砕け散る

 うん、それが北だからね。

 「だから琴瀬も、狙われて犯されて、最悪薬に溺らされるかもしれない」

 「私は、いいや」

 「っえ?」

 私に抱きついていた優香が顔を上げた。

 「私は、大丈夫だから」

 そう言って微笑めば、彼らの顔に驚愕の色が見えた。

 「ほら、私、優香のこと助けたんだよ?」

 忘れたの?と首を傾げると、隣で美苑が溜め息をついた。

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