今宵、キミが砕け散る

 「あー、宵、宵宵……」

 ちょ、何怖いんだけど。

 首筋の顔を埋め、私の名前を繰り返す星。

 「、俺たちが守るからね」

 「っ……!」

 その言葉に、息が詰まった。


 『俺が、宵を守るからな』


 縋りそうになってしまった。

 「はは、……ありがとうね」

 なんとか振り絞って出した声は、思った以上に震えていて、私はそれに気づかれないように、星の頭を撫でた。





 
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