今宵、キミが砕け散る

 見極めるような、見定めるような瞳。

 誰しもそんな視線を向けられて、いい気はしないだろう。

 でもそれに気づく奴は、多くはない。

 俺と芹が、琴ちゃんにそういう視線を向けていた。

 汐梨は純粋だから、琴ちゃんを直ぐに"優香を助けたいい奴"と判断したけど、

 挑発しているとも場合によっては捉えられてしまうように細められた目。

 少し歪んだ口元に、あぁ、この子は一般人ではないのかも知れないと思った。

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