今宵、キミが砕け散る


 「で、星は私に何か用があったの?」


 「え、あ、うん……ちょっと、ね」


 私がそう聞くと、星は目を見開いたあと、しどろもどろに言った。


 「俺、そんなわかりやすかった?」


 「別に、ただなんとなくそうかなぁーって思っただけ」


 いや、実際結構わかりやすかった気もするけれど。


 さりげなく飲み物を持ってくれた時も、今も顔が緊張したように強張っていた。


 「宵には、知っていて欲しいんだ」



 
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