今宵、キミが砕け散る
「お前、大丈夫か?」
真紀の問いに俺は微笑んで言った。
「大丈夫だよ」
今は、まだ……。
それが起こったのは、晴れた日だ。
似合わないほど、その日は晴天で。
俺の心は曇っていた。
何かが起きそうな予感、不安が俺の中をぐるぐると回っていた。
いつも通り、学校が終わって家に帰る。
ドアを開けてただいまと言おうとした時、知らない女物の靴が置いてあるのに気がついた。
……誰か来てるのかな。
案の定、リビングに入るとお母さんと談笑している見たことのない女の人が目に映った。