今宵、キミが砕け散る


 「星くん!」


 その人は、俺の名前を呼んで駆け寄ってきた。


 「会いたかった!すごいイケメンね〜!」


 訳が分からなくてお母さんの方を見ると微笑んでいた。


 「星」


 久しぶりにお母さんと目を合わせた。


 「貴方、今日からこの子のモノよ」


 「え……?」


 困惑する俺に母はまるで何かが吹っ切れたように早口になる。


 「ずっとずっとずっと!この時を待ってた!!」


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